東京オペラシティ アートギャラリーにて開催中の『谷川俊太郎展 TANIKAWA Shuntaro』に行ってきました。
まずは、人の多さにびっくり!
チケットを買うのにならぶ…というほどではなかったものの、会場内にいる人の多さ、年齢幅の広さにとても驚きました。
今回は「谷川俊太郎さんの約65年にわたる活動を見つめ直す展覧会」
詩人として、翻訳者として…幅広い仕事をしている谷川さんならではの、多角的な方面からのアプローチによって、谷川さんの作品、谷川さんという人が浮き上がってくるような展示でした。
・・・懐かしい感じがしたり、新鮮な感じがしたり、刺激的であったり…谷川さんの世界にどっぷり浸ることができます。
会場に入り、まず通されるのは幕に遮断された暗い部屋。
ここでは『音と映像による新たな詩の体験』として、新しい詩の表現を体験できます。
「かっぱ」「いるか」「ここ」という3つの詩が、音楽家・小山田圭吾(コーネリアス)とインターフェイスデザイナー中村勇吾(tha ltd.)による、特別コラボレーションで表現されていました。
谷川さんの声と小山田さんの音楽、それがいくつもの画面に流れる文字と光と融合して、言葉を可視化するような空間で、長くいるとくらくらしてくるような独特の時間が流れていました。
次の部屋には、文字の書かれた柱のように見える棚がずらり。
チラシやチケットにも書かれている詩「自己紹介」に沿って、
20のテーマごとに谷川さんにまつわる品々が展示されていました。
今まで手掛けた作品、ワードロープのTシャツ、自身の本棚にならんでいる本、
家族や友人との手紙、写真、ヴィンテージラジオのコレクション、
これまでに使ってきたワープロやパソコン…などなど。
この展示を観ていると、仕事とプライベートで関わる様々なものを
大っぴらにのぞき見している不思議な気分に。
こういう生活の中から、ああいう詩が。言葉が。紡がれているのかなと…などと
ついつい広がる妄想…
また、1986年に出版した『33の質問』をもとに作成したという『3.3の質問』を
各界で活躍する人々に投げかけ、
その回答を作品としてモニターに映し出すという展示も。
バラエティーに富んだ回答者にも驚きますが、ドッキリさせられる質問もあり、
誰がどんな回答をするのかーどんな言葉を選んで回答するのかー
というのも興味深いですね。
様々な角度から「谷川俊太郎さん」を知ることができると同時に
こんな風にさらけ出しているのに、
なお不思議で底知れない谷川さんの世界に溺れそうになった展覧会でした。
こちらの展覧会は3月25日まで開催しているとのことです。
http://www.operacity.jp/ag/exh205/