2023年3月読書会『私立・探検家学園1』

©私立探検家学園1
©私立探検家学園1

3月の読書会のレポートです。

3月の1冊は

『私立・探検家学園1』

(斎藤倫/作 福音館書店)でした。

読書会の様子を少しだけお届けいたします。

 

※今回も参加者のHさんが読書会の様子をまとめてくれました。

 

今回のレポートは、作者である斉藤倫さんの人物像についての話から始まりました。

主な斉藤倫さんの著書はすべて読んだ(!)というレポーターのKさんによれば、作者についての情報がとても少なく謎に包まれている・・・とのこと。そんな気になる作者の新刊が、こちらの『私立・探検家学園』。

探検家の学校なんて、想像するだけでワクワクしますね!とはいえ、だれでも入学できるわけではありません。11歳から15歳までの年齢制限あり、入学試験だってもちろんあります。一体どんな学園生活が待ちかまえているのでしょうか・・・個性的な先生たちの奇想天外な授業のほかに、実習ではミッションが課せられます。新入生たちが試行錯誤しながら力を合わせて試練を乗り越えていく場面では思わずハラハラドキドキ、読みごたえがあります。

学園生もただ者ではありません。世界に名立たる探検家たちの子孫が登場します。

 

レポートでは、主な登場人物にちなんだ探検家のルーツが年表付きで分かりやすくまとめられていて参考になりました。

参加者の中には、これまでの斉藤倫さんの作風とは一変したようだが、文体や表現にことばを大事にする詩人としての一面が感じられるという意見が多く、印象的でした。

続きが楽しみな第3巻では、いよいよ探検家学園のひみつを発見できるのでしょうか。読者は残念ながら入学資格がありませんが、想像の羽を広げて新たな謎の世界へ踏み出しましょう。

 

探検家について整理されていて、素晴らしいレポートだった。探検家として大事な年齢がちょうど進路を考える11歳から15歳に設定されているところがうまい。

学園生活ばかりではなく、主人公の家業はせんべい屋という設定も面白い。主人公の祖父と父の存在がこれからどのように、展開していくのかな。

探検という自分の持てる力を発揮できる設定が良い。現在の児童文学界で出版が待たれていたような、子どもたちの真に迫るおすすめの作品。今どきの子どもたちにぜひ読んでほしい!

 

タイトルが斬新。

特に2巻は面白く集中して読めた。便利なものは楽だが味気ない、手間暇かけて謎を解いてくところが醍醐味。

 

解放的な感じがするところに子どもたちが喜ぶのではないかと思うので、この豊かな解放感を子どもたちに読んでもらいたい。

ジュラシックパークやマジックツリーハウスを思いだした。ところどころ気になる素敵なセリフが出てきた。

漢字の使い方に違和感があった。

 

SF?ファンタジー?のようでありながら、主人公がせんべい屋の娘という設定がおもしろい。同級生たちはお金持ちで、探検家学園のバックには巨大組織が控えているのでは?

端々のことばが心理をついていてためになる。嫌らしくなく、さらっとしているから心にひっかかる。

つじつまが合わない話かな?と思う所もあるが、上手くまとまっていておもしろかった。

 

斎藤倫さんの作風について…摩訶不思議、作品ごとにテイストが異なる。ミステリアスなところがおもしろい。実力者。

3巻目が気になる。

 

ワクワクハラハラドキドキ!登場人物の名前が探検家に由来しているところがおもしろい。学園についての謎が深まる…続きが気になる。

物語の世界観がおもしろい。

漢字の使い方が気になってしょうがない。詩人だという事ですが、この使い方に、はっきりとした意志があるのでしょうか?

 

斉藤倫さんと年代が同じだからか、子どもの頃の感覚がよみがえり共感を覚えた。

句読点の切れ目が詩的で、呼吸するようなイメージ。

『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』はとても好きな作品だったが、『ポエトリードッグ』とはちょっと自分の感覚と会わなかったようだ。

『私立・探検家学園』については、大事なフレーズが口をついて出るような、「ポン」と言いたい世界が出てくる。挿絵について、アニメをみているようで動いてほしくなる。

続きを読んでみたい。

同じ作者が書いたとは思えないほど今までの作風とこの作品は違うと感じたが、Cさんが(感想の時に)本文中の気になる個所を読むのを聞いてみると耳に心地よく改めて詩人であり同じ作者だと実感した。斎藤倫さんの本は装丁や挿絵もすてき。続きを読みたい。

面白く、スラスラ読めた。挿絵も多く子どもたちにも読みやすいと思う。

説教っぽくない校訓も気になる。探検グッズは、子どもたちの興味をひくのでは?

 

大変楽しく読んだ。自分の生活圏のすぐ隣に鎮座しているような本格ロマンにワクワクした。

「わからないこと」「迷うこと」「結果の出ないこと」を恐れるな、それはよいことなのだという、読者への激励を強く感じた。

中盤まで読んでようやく登場人物の名前の共通点に気づき、背中に電流が走った。彼らの先祖と思える探検家のことを、調べずにはいられなかった。

→この部分は、当日レポーターが、詳しく読み解いてくれたので、参加者一同「ほー、なるほど!」と感嘆の声をあげてきいていました。探検家の年表もわかりやすく、おもしろかった! 

ともかく、今回もレポーターの解説がとてもおもしろかったです。全作品を読むという事も大変なことですが、探検家のルーツを調べ上げ、それを年表にするという作業は、簡単にできるものではありません。脱帽!