· 

信濃毎日新聞連載『本の宝箱』のこと

先週、3月8日の掲載で信濃毎日新聞「本の宝箱」の連載が最終回を迎えました。

気がついたら全42回、4年弱続いた連載となりました。毎月、楽しみにしていてくださった方々、感想をお知らせくださった方々、そしてこの連載でお店に来て下さった方々‥‥‥この連載を読んでくださったすべての方々に感謝です。

連載も終わり、ほっと一息つきましたので、連載についての思い出もぽつぽつ残しておこうと思います。

 

はじめて連載のお話をいただいたときは、まさか毎月こんなに大きなスペースを任せていただくとは思ってもいませんでしたし、また写真撮影まで自分でやるなんて想像もしませんでしたが、あれよあれよという間に連載がはじまりました。毎月、原稿を書くのはもちろんですが、ひとつの記事をつくるために、テーマやメッセージを考えて選書したり、撮影の小物を考えたり‥‥‥いろいろなことをできて、大変なこともありましたが、とても楽しい経験になりました。

 

毎月の連載で、いちばん苦労しているのは、実はテキストではなくて写真撮影でした。ただ本の表紙をならべるのではなく、本を読むときのわくわくする気持ちが伝わるように少しでも興味を持ってもらえるようにと考えながら、毎回、撮影をしていました。必ず、本と一緒に花や植物をつかって写真を撮っていたことに気がついてくださった方も多く「写真が素敵」と言っていただくことがとても嬉しかったです。

 

2022年11月の記事で石川さん作のかぼちゃのアレンジメントを撮影で使わせていただきました!
2022年11月の記事で石川さん作のかぼちゃのアレンジメントを撮影で使わせていただきました!

実はあんな風に花や植物を取り入れた撮影をできたのは、フラワーアレンジメント講師の石川るみさんのおかげです。

連載を始めてすぐの頃に、イイ感じの写真をどうやって撮ったら良いのか悩んでいた時にたまたま目に入ったのが、石川さんからいただいたアレンジメントでした。「このアレンジメントと本を一緒に撮ったら、なんか素敵かも?!」と思いつき、早速、撮影許可をとったところ、快諾していただきました。それ以来「いつでも協力するよ」というお言葉に甘えて、撮影のたびにご協力いただいていました。

「今回は、こんなイメージの写真にしたいので、こんなお花や葉っぱはありますか?」と事前にプランが決まっている時もありますが、「今の季節ってどんなお花がありますか?」と尋ねてから全体の雰囲気を考えることもありましたし、「お話の中に、こういうイラストがあるのですけど、似た雰囲気のものありますか?」というような、私のかなりアバウトな要望にも柔軟に対応してくれ石川さんのおかげで、無事に連載ができたと言っても過言ではありません!

 

私も、以前は児童書の出版社に勤めていましたので、各出版社がどうやって手にとってもらうか工夫しているのは理解しているつもりです。でも、いわゆるロングセラーのような昔からある読み物の表紙の中には、単体で写真を撮るとちょっと地味に感じてしまうものもあることも事実です。

せっかくのおもしろいお話が、見た目で興味を持たれないのは残念だというのは日ごろ感じていたので、草花や小物と一緒にちょっと良い雰囲気で撮影することで、新聞を読んだ方の目に留まり、少しでも手にとるきっかけになっていたら本当に嬉しいです。

 

連載をしていて嬉しかったことのひとつに、予想以上に「毎月、連載の日を楽しみにしている」という声をいただいたことです。紹介した本を「久しぶりに読みたくなって読んだ」と言っていただいたり、「読んでいない本があったから」とはお店に買いに来て下さったり‥‥‥その都度、反響があることがとても励みになりました。連載をきっかけに、わざわざ遠方からお店に来て下さる方もたくさんいて、新聞の威力を感じました。

イベントで飯島ユキさんの俳句を展示しているところ
イベントで飯島ユキさんの俳句を展示しているところ

みなさんからいただいた感想の一つ一つが私にとって大切な宝物になりました。

 

なかでも、飯島ユキさんは、連載当初より毎月俳句を詠み、私のもとに届けてくださいました。紹介した本、私の文章、掲載写真など、掲載記事から想起した俳句を詠んでいただけるなんて、とっても光栄なことです。「今回はどこに注目してくださったのかな?」と、連載が掲載された後に送られてくるユキさんの俳句が毎月のひそかな楽しみになっていました。優しいお気遣いに改めて感謝しています。

かねてより、これを身内だけで楽しんでいるのはもったいないと思っていたので、昨年に開催したイベントに来ていただいた方々にご覧いただけたことは嬉しい思い出のひとつです。こちらは、今後ホームページやSNSでちらりとご紹介できるようにしたいと思っています。

 

改めて、色々な人に応援してもらって続けてこれたのだと実感していますし、連載を通してやっぱり子どもの本が好きだなぁという思いを深めました。本の世界だからこそ体験できる楽しさを、これからも伝えていけるようにできることを探していきたいなと思うので、引き続きよろしくお願いいたします。

※連載『本の宝箱』は終わりますが、せっかくなので「ちいさいおうち通信」の中で毎月お気に入りの本・おすすめの本をピックアップしてご紹介する連載をはじめるつもりです。お楽しみに‥‥‥

※撮影のこぼれ話や新聞に掲載されなかった写真なども、今後どこかであげようかなと考えています。期待せずにゆるりと待っていていただけたら嬉しいです。

 

石川るみさん

 

英国式ガーデンスタイルフラワーアレンジメントの教室「VeryBerryRose」主催者。

草花やグリーンをたくさんつかったナチュラルでありながら上品なアレンジメントが特徴。

松本市内の花小屋(ご自身の教室)でのレッスンの他にも、各所でレッスンを行う。

ちいさいおうちでは、現在は月に1回、絵本や物語をテーマとした教室を開催しています。

 

https://www.instagram.com/veryberryrose/

 

飯島ユキさん

 

「俳句 羅(ra)の会」代表。

2009年 第4回平塚らいてう賞特別賞受賞

句 集  :『一炷』『庭の水族館』

著 書  :『今朝の丘・平塚らいてうと俳句』

共 著  :句画集『季』

編 著  :『らいてうの姿・ちひろの想い』