前回の『くまのパディントン展その①』の続きです。
4月28日から6月25日まで、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催している『くまのパディントン展』へ行ってきました。
今回は絵本の原画以外の展示についてです。
作者であるマイケル・ボンドの
使用していたタイプライターや辞書などの仕事道具も展示してあります。
使い込まれた道具を見ていると
「これからパディントンの物語が紡ぎ出されたんだなぁ」と途端に愛着がわいてくるのは私だけではないはず…
ボンド家で実際に家族のようにかわいがられているパディントンの写真なども展示されていて、インタビューでボンド氏が語っているように「すぐそこにパディントンがいるような」気持ちになりました。
ぜひぜひ注目してほしいのは「日本とパディントン」のコーナー。
こちらでは日本で発行された歴代のパディントンの本を
見ることができるのも楽しいのですが、
特に見逃さないでほしいのは田中琢治さんのお手紙のところです。
福音館書店から発行された「パディントン」シリーズの
翻訳者である松岡享子さんと第8巻からの共訳者である田中琢治さんの
田中さんが子どもの頃の交流の一端を垣間見れる展示が…
パディントンの大ファンだった田中少年が松岡さんに
続編の翻訳を催促するお手紙に思わずクスリ。
それだけでも素敵なエピソードですが、その男の子が後に松岡さんと一緒に
「パディントン」シリーズの翻訳をすることになるなんて・・・
パディントンが繋いだ素敵なご縁ですよね。
また、日本ではあまり見かけない
パディントンの4コマ漫画の原画もずらりと並びます。
この漫画は絵本や商品デザインなどを手掛けているアイバー・ウッドが『ロンドン・イヴニング・ニュース」といイギリスの新聞に掲載していたものだそう。
その他にもパペットアニメーションの映像、使われたパペットや小道具、商品化されたグッズの数々・・・など、イギリスでのパディントンの人気がうかがえる様々なアイテムが展示されていました。
また、昨年、逝去された作者マイケル・ボンドの晩年のインタビュー映像も見ることができます。
ボンド氏が常にパディントンを身近に感じていることが良くわかるお話で、パディントンへの深い愛を知ることができ、胸が暖かくなりました。
展覧会を最後まで観終わり、満足して展示会場を出たところに
最後の危険地帯が私たちを待ち構えています…そう、物販コーナーです。
オリジナルグッズ、展覧会限定のグッズなどがずらりとならび、
物欲が大いに刺激されます。
今回しか手に入らないものもあるので、皆さま後悔のないように・・・
そして、今回の展覧会の余韻が消えないうちに、
ぜひ改めて(またははじめましてでも)
パディントンの本を読んでほしいなと思います。
昨年と今年、これまで日本では出版されていなかった
『パディントン、テストをうける』と
『パディントンのどろぼう退治』が
三辺律子さんの訳でWAVE出版から刊行されました。
ずいぶん、前作から間が空いていたので
復習のつもりもあって何巻かまとめて読み返してから
新作に挑みましたが、やっぱり面白い!
読んでいる間中、くすくす笑いが止まりませんでした。
新作でも、変わらないパディントンに会うことができますから、これまでのシリーズのファンの方も安心して、読んでみて下さいね。
この機会に、シリーズの最初から読みなおすのもおすすめです。これまで、お話の面白さに気をとられて、挿し絵を見逃していたかもしれない方は、挿絵に注目しながら再読…というのも楽しそうです。