2021年10月読書会レポート『思い出のマーニー』

10月の読書会・今月の1冊は『思い出のマーニー』(ジョーン・G・ロビンソン/作 松野正子/訳 岩波書店)でした。

ちいさいおうちの読書会で取り上げるのは2014年以来。

当時の読書会の時にも参加してくださっていた方はいますが

かなり参加者の顔ぶれが変わったこともあり、何よりも読み繋いでいきたいという思いもあり、再び今月の1冊となりました。

Ⓒ思い出のマーニー
Ⓒ思い出のマーニー

まずは今回のリポーターのOさんから

ステキなレポート発表。

とても丁寧な説明で、作品の背景が良くわかりました。

<主人公アンナと重なる作者の子ども時代>

<物語が生まれたきっかけ>

<誕生の地ノーフォーク州>

<しめっ地やしき the Marsh House >のモデルなど、どれも興味深いものばかり。

より深く、作品に迫ることができました。

 

読書会への参加が久しぶりだったOさんからは最後に「よい作品のレポーターをさせていただき、本当に楽しい時間が持てました。読書会というこのような場所があることのすごさを感じました」という嬉しいお言葉をいただきました。

参加者の感想

 

◆大好きな作品。マーニーは、娘の中学時代のきつさを思い出し、また自分の暗黒の中学時代とも重なり、ヒリヒリと痛い作品。

『つぎに読むの、どれにしよ?』(越高綾乃/著 かもがわ出版)の中で

「居場所を探している子たちへ」とあるが、

子どもは意外といろいろなことをわかっている存在なんだなあと思う

 

◆原書の題が、When Marnie Was Thereというのを、改めて読んで、

そこにマーニーが居たんだというニュアンスを感じ取り、いい題だなと思った。イギリスの児童文学は、滑り出しがゆっくりで、そこに細かな伏線がかくされていて読むのには、意外と手ごわいと感じる。

 

◆作者は、この物語を書くことで、自分の子ども時代の痛みを癒していったようにも思われる。

 

 

 

◆魂を扱っている本だと思う。心ではなく…心理学者の河合隼雄さんが扱う領域の本だと感じた。孤独が強く描かれているが、これは人間にとって必要なものだと感じた。脈々と続く命、年をとって先祖につながっていく瞬間を探っていくような感じ。時間をゆっくりかけて読みたい。

 

◆孫を無条件で愛してあげられるおばあちゃんでいたいと思う。

 

 

◆初めて読んで衝撃を受けた。最初から涙が止まらなかったのは、何故かと考えた。

 

◆アンナに深く共感できた。アンナは大人の根本にあるものを、見抜いてしまう女の子で、実は私もそういうところのある女の子だったと思う。ギリーさんの「私の年になれば、それは、誰のせいでもないのがわかるわよ」という言葉が心に残った。

 

◆時のふるいにかけられ残った作品。やはり名作はすごいなと感じた。五感に訴える。音、におい、色など。マーマレードのトロトロ感まで感じる。「花売り娘」がでてくるが、イタリアでは花売り娘のスミレ、ビオラは紫で、死をイメージさせる。

とても大切な本になった。

 

◆7年前にジブリが映画化して話題になったとき、レポートさせてもらった。上巻を読むのがとてもつらかったことを覚えている。

『つぎに読むの、どれにしよ?』(越高綾乃/著 かもがわ出版)を読んで、涙がでた。前回のレポートでは、登場する植物について、詳しく調べた。

※こちらはブログに当時の読書会の感想が残っているので、もし興味のある方はこちらもご覧になってみてください。 

 

 ◆すっと読むことが出来た。この物語も、イギリス児童文学によくあるお屋敷が第二の主人公だなと感じた。過去との連続性がそこにある。

 

◆1978年ノーベル賞をとったⅠ・Bシンガーの

文学とは何かについての言葉がある。

「わたしたちのきのうという日、楽しかったこと、悲しかったこともふくめて、その日はどこにあるのか。過去とそれにまつわるさまざまな気持ちをおもいだすうえに役立ってくれるもの、それが文学です。」

「物語の中では、時間は消えない。人間たちも、動物たちも消えない。書く人にとっても、読む人にとっても、物語の中の生き物は、いつまでも生き続ける。遠い昔におこったことは、いまもほんとうに存在する〛(ともに、『やぎと少年』のまえがきから)

 

◆イギリスファンタジーのよさを感じる作品。

出だしがとても長く冗漫な感じがするし、翻訳も古風だが、それがまたいい。フワフワと漂よえる感じがとてもよい。誰にでも読める作品ではないと思うが、それでよいのではないかと思う。

 

◆下巻をすっかり忘れていて、今回読みかえして、物語がきちんと回収されていくようすにびっくりした。

 

◆屋敷が見た夢という読み方もできるかな。自分が多感な時期に読みたかったなあと思う。

 

◆「おばかさん」と何度も出てくるが原書ではなんと書いてあるのか?➡silly

 

◆ジブリの映画が先だったので、最初にお屋敷をイメージした。

 

◆ワンタメニーにひかれた。

 

◆何度も読み返したい味わい深い作品だと思う。

 

◆食べものが印象的。

 

◆全体的に淡い紫色のイメージの作品。

◆ずっと持っていたが、最初で挫折。アンナへの感情移入が難しかった。あまりに、背負っているものが大きすぎて…『つぎに読むの、どれにしよ?』(越高綾乃/著 かもがわ出版)を読んで、こんな読み方もあるんだなあと感じた。

 

◆イギリスの田舎の風景、荒涼とした処、垂れ込めた雲、さびれた砂浜が、とてもよく描かれていると思った。

◆思春期に出会いたかった。

 

◆イギリスへ行きたい!息子がスコットランドの風景に感動したと聞き、ますます強くあこがれをもった。

 

◆マーニーの悲しみ、アンナの孤独。自分は他とは違うと思春期。

子どもは誰でも意外とそう感じているのかもしれない。

 

参加者の皆さんは、イギリス児童文学の醍醐味と言える要素がいっぱい詰まっている豊かな作品を、それぞれの立場で満喫したようでした。

Ⓒつぎに読むの、どれにしよ?私の親愛なる海外児童文学
Ⓒつぎに読むの、どれにしよ?私の親愛なる海外児童文学

☆追記☆

また、読書会の参加者の方々は、

ちいさいおうちのお客さまばかりだということもあり、

『つぎに読むの、どれにしよ?私の親愛なる海外児童文学』を読んでいてくださっている方々がとても多く、

感想にもこの本の話をとりあげてくださった方が何人もいて、とてもありがたかったです。

この場であらためてお礼を申し上げます!